FA11について

投稿日時 2013-07-18 16:55:35 | カテゴリ: 国内特許情報

 特許庁は、審査請求から一次審査までの期間(FA期間)を11か月にするという目標[1]を掲げて、約10年間、審査の迅速化を進めてきました。昨年(2012年)末でFA期間は17か月まで短縮されており、今年度(2013年度)中には目標を達成できる見込みとのことです[2]。

 しかしながら、来年(2014年)以降の任期付審査官の任期満了にともなって、審査官数が大幅に減少することが予想されます。昨年の経済産業省の政策評価懇談会[3]では、国家公務員の定員や人件費などに厳しい枠がある中で、任期付審査官を引き続き雇用することを認めてもらえるのかどうかという問題が挙げられています。

 知的財産戦略本部が今年6月に発表した知的財産政策ビジョン[4]では、我が国企業の海外での円滑な特許権取得を支援するために審査基盤の整備を進めなければならないにもかかわらず、審査官の人員の手当てなどを行わない場合、FA期間が再び長期化してしまい、2020年には40か月となってしまう(FA40)、という心配な試算値が開示されています。知的財産戦略本部の専門調査会[5]では、FA期間のリバウンドを防ぐために審査官数維持への強いメッセージを出すべき、という意見が出ていました。そのような意見をふまえて、知的財産政策ビジョンにおいて審査官数維持をアピールしていると思われます。

 また、知的財産戦略本部が今年6月に発表した知的財産推進計画2013[6]では、FA11達成後の審査迅速化への取り組みとして、特許の最終的な権利化までの期間を2015年度中に36か月以内にするという目標も掲げられています。しかし、任期付審査官の任期満了の後、FA期間はどうなるのかという問題については、具体的な施策が提案されていない状況です。今後のさらなる施策に期待したいところです。

※参考資料
[1]知的財産推進計画2004
[2]特許ニュース、平成25年4月18日(木)、経済産業調査会
[3]経済産業省政策評価懇談会(第17回)議事録
[4]知的財産政策ビジョン
[5]知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会、第4回配布資料、参考資料1「知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会の論点」
[6]知的財産推進計画2013




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