特許、実用新案、商標、意匠から訴訟、調査、コンサルテーションまで

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投稿者 : admin 投稿日時: 2015-10-06 20:44:26 (1631 ヒット)

このたび、オランダ、フラールディンゲンで開催されたPlatform Formalities OfficersのMasterclassセミナーにおいて、日本の特許制度についての講演を行いました。

Platform Formalities Officersは、オランダの企業や特許事務所において知的財産権に関する期限管理や料金納付等の事務的な手続を取り扱う事務職員を対象にしてトレーニングや試験を開催する団体であり、2009年に設立され、現在、300以上の会員数を有しています。Platform Formalities Officersでは、今秋、初めて日本と中国の特許制度に関するセミナーを開催することになり、日本の特許制度に関して弊所弁理士が講師を務めさせていただきました。

Platform Formalities Officersのように事務手続きに特化した団体が活躍し、事務職員の方々のプレゼンス向上を図れる場があるというのは素晴らしいことだと感じました。日本でもこのような環境が整うと業界全体の底上げにつながるのではないかと思っています。

参加された方々は熱心にメモを取りながら講演に耳を傾けていらっしゃいました。参加者からの質疑の中には興味深いものも多々あり、弊所としましても、彼らが日本出願対応に際して実務上どのようなところに特に関心を持っているかについて窺い知ることができた貴重な機会だったと感じました。日本企業のお客様との間では日頃から各種打ち合わせや意見交換の場を持つことができますが、海外企業や海外代理人との間の意見交換は限られております。今回の講演会を通して得た経験に基づいて、海外企業や海外代理人との間のコミュニケーションをより一層密にしていきたいと思います。

Platform Formalities Officersのホームページは以下のリンクからご覧になれます。(英語)
http://www.formalitiesofficers.nl/en/home/

また、弊所の講演資料は以下のリンクからご覧になれます。(英語)
http://cms.formalitiesofficers.nl/resources/scripts/tinymce/plugins/imagemanager/files/PlatformFormalityOfficers/presentaties/JP_Patent_Formalities_PFO_Masterclass.pdf


投稿者 : admin 投稿日時: 2015-06-10 21:40:59 (1264 ヒット)

 本年4月1日より、新しいタイプの商標の出願受け付けが開始されました。新しいタイプの商標とは、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標という、全部で5つのタイプの商標です。商標権で保護され得る商標のタイプは、従前より、文字商標及び図形商標、サービスマーク、立体商標というように徐々に拡充されてまいりましたが、今回、一気に5つのタイプが追加されたことになります。

 このように、商標権で保護され得る商標のタイプは少しずつ広がっているわけですが、なぜそうした事象が生じているのでしょうか。それは私たちを取り巻くビジネス環境の変化が大きく関係していると思います。
 振り返ってみれば、かつての私たちは貧しく、モノが不足する世の中に生きていましたので、企業はモノを十分に行き渡らせて人々が豊かに暮らせるようになることを目指し、商品の開発・製造に力点を置いていました。このような時代において企業に求められるのはモノづくりの力、及び販売チャネルを通じて消費者に商品を届ける供給力であり、商標が持つ基本的な能力である自他商品識別力は、この時代においてはさほど重要ではなかったように思います。

 こうした企業努力によりモノが行き渡り始めると、市場競争が激しくなっていくとともに、消費者の関心は次第に商品の高度な機能や品質に移って行きました。そこで、企業は同業他社との差別化を図るべく、高機能・高品質な商品の特徴を消費者にアピールするようになり、広告宣伝活動が活発化していきます。そうした広告宣伝活動での訴求力に貢献したのが商標です。商標により自社商品を消費者に印象付けて、購買意欲を高められる可能性があることから、企業は印象的な文字商標及び図形商標の出願を積極的に進めていくことになります。

 ビジネスはさらに変化を続け、やがてモノからコトへ、第3次産業、すなわちサービス業が発展しました。自社のサービスを商標権で保護された商標の下で安定的に提供したい、というニーズから、サービスマークが商標権の保護対象に追加されます。
 そして、インターネットの登場やその後のブロードバンド化・ソーシャル化により、モノづくりも販売チャネルもサービス業も、さらには原材料、輸送、決済システム、ビッグデータといったあらゆる部分において、サプライチェーンが丸ごと変革されるような劇的な変化が次々と起きました。人々の価値観はますます多様化することとなり、商品・サービスの特徴も、広告宣伝活動も、消費者のニーズも多様化しました。企業は自社商品・サービスの価値の源泉を見つめ直し、多様化する顧客のうちのどの層をターゲットとしたビジネス展開を行うべきかのポジショニングを行い、そうして選択した事業領域に有限な自社資源を集中的に投入していくというような、高度な経営戦略を遂行していくこととなります。自社商品・サービスの価値の源泉を見つめ直していく中で、企業のブランド力が注目され、このブランド力を支える商標の定義付けが見直された結果として商標権の保護対象に導入されたのが、少し前の立体商標であり、今回の5つの新しいタイプの商標といえるかと思います。

 今回、弊所は複数のお客様からのご依頼を受けて新しいタイプの商標の出願手続きをいくつか経験させて頂きました。これらの出願が、お客様の貴重な資源投入の一つの現れと考えるならば改めて背筋が伸びる思いであるとともに、お客様の高度な経営戦略遂行に微力ながらも貢献できる機会を得たことに大きな喜びを感じています。


投稿者 : admin 投稿日時: 2015-04-21 09:00:10 (1919 ヒット)

今春、オランダ・Vereenigde Octrooibureaux事務所のHarrie A.M. Marsman欧州弁理士とMarlon Blood 欧州弁理士が来所され、最近の欧州特許の実務について意見交換いたしました。

特許異議申立制度に関しては、日本で最近創設された制度は、書面による審理である一方、欧州では異議申立人、特許権者も含めた口頭審理が頻繁に行われているようです。

また、欧州特許では発明の開示要件(EPC83条)は異議理由になりますが、クレームの明瞭性(EPC84条)は原則的に異議理由となりません。最新の欧州特許庁拡大審判部の審決により、異議申立において明細書に基づいて補正されたクレームについてのみ明瞭性が審査されることが明確にされました。拡大審判部の審決は、以下のリンクからご覧になれます。

http://www.epo.org/law-practice/case-law-appeals/pdf/g140003ex1.pdf

欧州統一特許に関しては、最終的に施行となるのは2017年以降に持ち越されることになりそうです。



投稿者 : admin 投稿日時: 2015-04-03 08:30:55 (4121 ヒット)

今年(平成27年)4月1日から特許異議申立制度の運用が開始されました。

4月1日以降に特許掲載公報が発行される特許を対象に、特許異議申立てが可能です。

特許権者の立場、特許異議申立人の立場で、それぞれ留意点を示します。

特許権者の立場

早ければ4月中旬に事件番号が通知され、その後、特許異議申立書の副本が送付されます。しかし、その時点で特許異議申立書に記載された内容に関する反論はできません。審判官から通知される取消理由に対しては、意見書の提出等が可能です。

特許権者は、早期の特許異議申立ての審理開始を希望する旨の意思表明である、「特許異議申立期間経過前審理の上申書[1]」を提出することができます。しかし、以下の理由によりこの上申書の提出はお勧めできません

(1)審理が開始されても特許異議申立て期間は短縮されません。そのため、審理開始後に別の特許異議申立てがなされることにより取消理由が再度通知され、その都度対応が必要になる可能性があります。

(2)訂正の請求には手数料が必要なため、対応の機会が多いほどコストが嵩んでしまいます。

代理人による手続きを行う場合には、拒絶理由通知への対応とは異なり、「代理人受任届」の提出および代理権の証明が必要です[2]。従前に提出した包括委任状に所定の文言[3]が含まれていれば、その包括委任状を援用して代理権を証明できますが、所定の文言が含まれていない場合には再度の包括委任状の提出、または個別委任状の提出が必要となります。

特許法の条文からは明らかではありませんが、特許庁は特許異議申立ての審理において、無効審判に倣って「決定の予告」(無効審判の「審決の予告」に相当)を行うことを明らかにしています[4]。「決定の予告」は、再度の取消理由の通知として受け取ることになります。すなわち、特許権者には原則として複数回の応答の機会が与えられます。このことを見越した戦略的な対応が必要です。

特許異議申立人の立場

特許異議申立書には、特許番号、特許異議の申立てをする請求項、申立ての理由、および証拠などを記載します。審判官は、特許異議申立書の記載に基づき審理を行うので、たとえば従属請求項に対する申立ての理由が適切に記載されていない場合は、被従属請求項に取消決定がされても従属請求項には維持決定がされてしまう可能性があります。したがって、障害特許が従属請求項にもおよぶ場合を考慮し、申立てを行う全ての請求項に対する証拠を収集し、これに基づき十分な申立ての理由を記載すべきです。

特許掲載公報の発行から6カ月以内に、特許異議申立書および添付書類(公開公報などの証拠)を特許庁に提出します。添付書類は、日本国特許庁が発行した公報であっても省略することができません。添付書類が外国語の場合は翻訳文も必要ですが、翻訳文は当該期間の経過後でも提出可能です。[2]

特許異議の申立期間は6カ月あるので申立書の作成に十分な時間をかけることができます。一方、特許権者による訂正請求後に特許異議申立人が意見書を提出できる期間は30日しかありません[5]。取消理由が通知されると、この意見書を提出できる期間もある程度予想できるので、その期間内での検討体制を整えておくことが重要です。

[1]特許庁 「特許異議の申立てに係る様式作成見本について」に含まれる「特許異議申立期間経過前審理の上申書の記載例(PDF:43KB)

[2]特許庁 「特許異議の申立てQ&A

[3]特許庁 「特許異議の申立てに係る様式作成見本について」に含まれる「包括委任状及び個別委任状の記載例(PDF:69KB)

[4]特許庁 「特許異議申立制度の実務の手引きの公表について」に含まれる「特許異議申立制度の実務の手引き(PDF:1,800KB)」のP.50 「9.取消理由通知(決定の予告)」

[5]特許庁 「特許異議申立制度の実務の手引きの公表について」に含まれる「特許異議申立制度の実務の手引き(PDF:1,800KB)」のP.49 「8.特許異議申立人による意見書の提出」


投稿者 : admin 投稿日時: 2015-02-21 15:40:12 (2496 ヒット)

移転のご案内

2015年1月吉日

弊所は品川駅港南エリアに移転いたします。
新事務所での業務開始日は2月23日(月)です。

住所:〒108-0075 東京都港区港南1-6-41    
    品川クリスタルスクエア 901 
TEL :03-5782-8708
FAX :03-5782-8707

なお、2月20日(金)午後から2月23日(月)午前までの間は移転作業のため、 ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承のほどお願い申し上げます。


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