特許、実用新案、商標、意匠から訴訟、調査、コンサルテーションまで

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投稿者 : admin 投稿日時: 2016-08-18 15:23:16 (1486 ヒット)

弊所弁理士が執筆した論説「ネットワーク関連発明におけるクレーム作成指針の検討──発明の一部海外実施・複数主体による発明の実施──」が一般社団法人日本知的財産協会が発行する知財管理誌2016年8月号(8月20日発行, p913-925)に掲載されました。

本論説は、従来からのサーバ&クライアント方式だけでなく、近年のクラウドやIoTにも共通するネットワーク関連発明について考察したものです。あまねく広い産業分野でご活躍の知的財産担当の皆様方には是非ご一読頂き、ご意見ご感想を頂戴できれば幸いです。
本論説のPDFデータは、9月下旬に本サイトに掲載予定です。


投稿者 : admin 投稿日時: 2016-07-15 15:53:17 (1593 ヒット)

“Brexit”が欧州特許・意匠・商標へ及ぼす影響について、直ちには気にしなくてよい

 2016年6月23日に実施された英国のEU残留か離脱かを問う国民投票の結果が、「EU離脱」に決まったことが判明した24日以降、EPO(欧州特許庁)や欧州代理人等から次々とメッセージが発せられました[1]-[7]。それらは総じて、慌てず冷静に状況を見極めることを薦めるという内容でした。その理由をまとめると、概ね以下の通りです。

(1) 特許
 欧州特許条約(EPC)はEUの枠組とは直接関係しないため、英国のEU離脱の影響を直ちに受けるものではない。

(2) 意匠・商標
 意匠・商標は、英国のEU離脱の影響は受けるものの、少なくとも2年程度を要する離脱交渉の過程で、英国内における権利の扱いについても議論されることになるであろうから、今は単にその議論を注視していけばよい。

(3) 欧州単一特許・統一特許裁判所
 欧州単一特許は英国がいつ離脱するかにもよるが、仮に離脱した後でも発効は可能。ただし導入時期がさらに遅れる可能性はある。
 統一特許裁判所はロンドンにも設置される予定となっていたが、協定が改正されれば変更になるかもしれないし、変更されないかもしれないし、それは協定次第。

[1] EPO, “UK Referendum ? Statement of President Battistelli”, 2016年6月24日
[2] EPO, “Conference reveals strong support for Unitary Patent package”, 2016年7月8日
[3] Marks & Clerk, “UK referendum on EU membership”, 2016年6月24日
[4] Mewburn Ellis, “英国、今回の選挙により欧州連合からの離脱の影響 ― ミューバン エリス の知的財産権のサービスはなにも変わらず継続いたします。”, 2016年6月29日
[5] Venner Shipley, “Business as usual following the EU referendum vote in the UK”, 2016年6月24日
[6] Hoffmann Eitle, “Update: Impact of Brexit on IP in Europe”, 2016年6月29日
[7] V.O., “What impact does the Brexit have on EU trademarks and the unitary patent?”, 2016年6月24日


投稿者 : admin 投稿日時: 2015-10-06 20:44:26 (1882 ヒット)

このたび、オランダ、フラールディンゲンで開催されたPlatform Formalities OfficersのMasterclassセミナーにおいて、日本の特許制度についての講演を行いました。

Platform Formalities Officersは、オランダの企業や特許事務所において知的財産権に関する期限管理や料金納付等の事務的な手続を取り扱う事務職員を対象にしてトレーニングや試験を開催する団体であり、2009年に設立され、現在、300以上の会員数を有しています。Platform Formalities Officersでは、今秋、初めて日本と中国の特許制度に関するセミナーを開催することになり、日本の特許制度に関して弊所弁理士が講師を務めさせていただきました。

Platform Formalities Officersのように事務手続きに特化した団体が活躍し、事務職員の方々のプレゼンス向上を図れる場があるというのは素晴らしいことだと感じました。日本でもこのような環境が整うと業界全体の底上げにつながるのではないかと思っています。

参加された方々は熱心にメモを取りながら講演に耳を傾けていらっしゃいました。参加者からの質疑の中には興味深いものも多々あり、弊所としましても、彼らが日本出願対応に際して実務上どのようなところに特に関心を持っているかについて窺い知ることができた貴重な機会だったと感じました。日本企業のお客様との間では日頃から各種打ち合わせや意見交換の場を持つことができますが、海外企業や海外代理人との間の意見交換は限られております。今回の講演会を通して得た経験に基づいて、海外企業や海外代理人との間のコミュニケーションをより一層密にしていきたいと思います。

Platform Formalities Officersのホームページは以下のリンクからご覧になれます。(英語)
http://www.formalitiesofficers.nl/en/home/

また、弊所の講演資料は以下のリンクからご覧になれます。(英語)
http://cms.formalitiesofficers.nl/resources/scripts/tinymce/plugins/imagemanager/files/PlatformFormalityOfficers/presentaties/JP_Patent_Formalities_PFO_Masterclass.pdf


投稿者 : admin 投稿日時: 2015-06-10 21:40:59 (1399 ヒット)

 本年4月1日より、新しいタイプの商標の出願受け付けが開始されました。新しいタイプの商標とは、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標という、全部で5つのタイプの商標です。商標権で保護され得る商標のタイプは、従前より、文字商標及び図形商標、サービスマーク、立体商標というように徐々に拡充されてまいりましたが、今回、一気に5つのタイプが追加されたことになります。

 このように、商標権で保護され得る商標のタイプは少しずつ広がっているわけですが、なぜそうした事象が生じているのでしょうか。それは私たちを取り巻くビジネス環境の変化が大きく関係していると思います。
 振り返ってみれば、かつての私たちは貧しく、モノが不足する世の中に生きていましたので、企業はモノを十分に行き渡らせて人々が豊かに暮らせるようになることを目指し、商品の開発・製造に力点を置いていました。このような時代において企業に求められるのはモノづくりの力、及び販売チャネルを通じて消費者に商品を届ける供給力であり、商標が持つ基本的な能力である自他商品識別力は、この時代においてはさほど重要ではなかったように思います。

 こうした企業努力によりモノが行き渡り始めると、市場競争が激しくなっていくとともに、消費者の関心は次第に商品の高度な機能や品質に移って行きました。そこで、企業は同業他社との差別化を図るべく、高機能・高品質な商品の特徴を消費者にアピールするようになり、広告宣伝活動が活発化していきます。そうした広告宣伝活動での訴求力に貢献したのが商標です。商標により自社商品を消費者に印象付けて、購買意欲を高められる可能性があることから、企業は印象的な文字商標及び図形商標の出願を積極的に進めていくことになります。

 ビジネスはさらに変化を続け、やがてモノからコトへ、第3次産業、すなわちサービス業が発展しました。自社のサービスを商標権で保護された商標の下で安定的に提供したい、というニーズから、サービスマークが商標権の保護対象に追加されます。
 そして、インターネットの登場やその後のブロードバンド化・ソーシャル化により、モノづくりも販売チャネルもサービス業も、さらには原材料、輸送、決済システム、ビッグデータといったあらゆる部分において、サプライチェーンが丸ごと変革されるような劇的な変化が次々と起きました。人々の価値観はますます多様化することとなり、商品・サービスの特徴も、広告宣伝活動も、消費者のニーズも多様化しました。企業は自社商品・サービスの価値の源泉を見つめ直し、多様化する顧客のうちのどの層をターゲットとしたビジネス展開を行うべきかのポジショニングを行い、そうして選択した事業領域に有限な自社資源を集中的に投入していくというような、高度な経営戦略を遂行していくこととなります。自社商品・サービスの価値の源泉を見つめ直していく中で、企業のブランド力が注目され、このブランド力を支える商標の定義付けが見直された結果として商標権の保護対象に導入されたのが、少し前の立体商標であり、今回の5つの新しいタイプの商標といえるかと思います。

 今回、弊所は複数のお客様からのご依頼を受けて新しいタイプの商標の出願手続きをいくつか経験させて頂きました。これらの出願が、お客様の貴重な資源投入の一つの現れと考えるならば改めて背筋が伸びる思いであるとともに、お客様の高度な経営戦略遂行に微力ながらも貢献できる機会を得たことに大きな喜びを感じています。


投稿者 : admin 投稿日時: 2015-04-21 09:00:10 (2390 ヒット)

今春、オランダ・Vereenigde Octrooibureaux事務所のHarrie A.M. Marsman欧州弁理士とMarlon Blood 欧州弁理士が来所され、最近の欧州特許の実務について意見交換いたしました。

特許異議申立制度に関しては、日本で最近創設された制度は、書面による審理である一方、欧州では異議申立人、特許権者も含めた口頭審理が頻繁に行われているようです。

また、欧州特許では発明の開示要件(EPC83条)は異議理由になりますが、クレームの明瞭性(EPC84条)は原則的に異議理由となりません。最新の欧州特許庁拡大審判部の審決により、異議申立において明細書に基づいて補正されたクレームについてのみ明瞭性が審査されることが明確にされました。拡大審判部の審決は、以下のリンクからご覧になれます。

http://www.epo.org/law-practice/case-law-appeals/pdf/g140003ex1.pdf

欧州統一特許に関しては、最終的に施行となるのは2017年以降に持ち越されることになりそうです。



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