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投稿者 : admin 投稿日時: 2014-04-10 22:39:11 (1933 ヒット)

 今年(平成26年)4月から、産業競争力強化法に基づく審査請求料・特許料等の軽減措置が受けられるようになりました[1]。この軽減措置を受けることで、中小ベンチャー企業(設立後10年未満で資本金3億円以下の法人)や小規模企業(原則、従業員20人以下)等の特許出願について、審査請求料・特許料が1/3に軽減されます。また、国内出願だけでなく、今まで軽減措置がなかった国際出願の調査手数料・送付手数料・予備審査手数料も1/3に軽減されることになりました。なお、この軽減措置は、平成26年4月から平成30年3月までに特許の審査請求又は国際出願を行う場合が対象になっています。

 今回の軽減措置の対象者は中小ベンチャー企業や小規模企業等となっていますが、これらの対象者に該当しなくても、研究開発型中小企業や、大学・TLO、独立行政法人等の特許出願については、従来からの減免制度を利用することで、審査請求料や特許料を半額に軽減することが引き続き可能です [2]。

 また、今回の軽減措置の対象者も含め審査請求料・特許料等の減免対象者に該当する場合には、早期審査を申請できる可能性があります。中小企業、大学・TLO、公的研究機関等の出願は、早期審査の対象となっているからです[3]。早期審査制度の利用により早期に権利化して、特許権を利用した技術移転や資金確保を目指すことも一つの戦略といえます。したがって、審査請求料・特許料等の減免制度の利用を検討される場合には、あわせて早期審査制度の利用についても検討されるとよいと思います。


※参考資料
[1] 中小ベンチャー企業、小規模企業を対象とした審査請求料・特許料の軽減措置について
[2] 特許料等の減免制度
[3]特許出願の早期審査・早期審理について


投稿者 : admin 投稿日時: 2013-11-12 00:46:23 (2469 ヒット)

 去る11月7日に今年の弁理士試験の合格発表[1]があり、715名の方が最終合格されました。合格された皆様におかれましては、誠におめでとうございました。皆様にはぜひ弊所にも加わって頂き、一緒に仕事できればと楽しみにしております。
 ところで、弁理士試験統計[2]を見ると、近年、合格者の数に減少傾向が見られ、今年を含めて過去5回のうちでは最も少ない数となりました。来年以降はどうなるのか、早くも気になっています。
 今年は弁理士業界にとって大きな節目の年となっています。その1つが、弁理士の数が4月24日に1万人を突破した[3]というものであり、もう1つは平成19年の改正から5年後の見直しが予定されていた弁理士法と弁理士制度の在り方についての議論が8月から始まったことです[4]。
 遡ること平成11年12月の工業所有権審議会の答申[5]において、弁理士の量的拡大を目的として試験構造の簡素・合理化が提唱されたことから、平成14年および19年の2度にわたる弁理士法改正の過程で、弁理士試験の試験科目の削減や免除制度の導入等がなされ、弁理士の数も順調に増加してきました。
 しかし今回の弁理士法の見直し議論では、弁理士の量的拡大を抑制する動きとして、日本弁理士会は合格者数を220名程度にすべきと提言しており[6]、その理由として国内特許出願件数の減少を挙げています。
 減少した国内出願を新人弁理士に取られないようにという国内事情ばかりに気を取られているうちに、日本の特許事務所がグローバル化に十分対応できないまま、複数国での権利化から訴訟対応までワンストップで対応可能な欧米やアジアの大きな特許事務所に呑み込まれていってしまわないかと気がかりです。黒船にも敢然とわたり合える力強くてスマートな弁理士を継続的に確保・育成していくことにも気を配った弁理士法改正論議となることを望んでいます。
 知財の分野では、複数の知財法に跨る総合的な知財戦略、クロスボーダーの事案、世界同時多発的な訴訟対応といった様々なイシューが次々と生まれています。今回の弁理士法改正論議を機に、弊所としても、例えばそうしたホットイシューに対して国内外の弁理士・弁護士と緊密に連携し、かつ彼らを先導してクライアントの期待にパーフェクトに応えられるような、常に高いパフォーマンスを発揮できる人材を充実させるべく、これまで以上に人材教育・育成に尽力して参りたいと気持ちを新たにしているところです。


[1] 特許庁「平成25年度弁理士試験合格発表」, 2013.11.7

[2] 特許庁「平成25年度弁理士試験の結果について」, 2013.11.7

[3] 産業構造審議会知的財産分科会弁理士制度小委員会第2回(2013.9.19) 議事録

[4] 産業構造審議会知的財産分科会弁理士制度小委員会

[5] 特許庁「第38回工業所有権審議会総会について」, 1999.12.22

[6] 日本弁理士会「「知的財産推進計画2013」及び「知的財産政策ビジョン」の策定に向けての提言」,2013.3.22


投稿者 : admin 投稿日時: 2013-08-14 00:13:52 (16372 ヒット)

 「発明の単一性の要件」、「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」(いわゆる「シフト補正」)の審査基準が改訂されました[1]。

1 「発明の単一性の要件」、「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」の審査基準改訂のポイントは以下のとおりです。
1.1「発明の単一性の要件」の審査基準について
 以下の(1)及び(2)の手順により、特許法第37条の要件以外の要件を審査する対象が決定されます。
 (1)特別な技術的特徴(STF)に基づく審査対象の決定
 (2)審査の効率性に基づく審査対象の決定

 (1)では、最初に発見されたSTFと同一の又は対応するSTFを有する発明が審査対象とされ、STF以外の構成が一致していなくても審査対象に含まれることになりました。
 (2)では、特許請求の範囲の最初に記載された発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの発明が原則審査対象とされることになりました。

1.2「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」の審査基準について
 補正後の特許請求の範囲が補正前の特許請求の範囲に続けて記載されていたと仮定したときに、改訂後の「発明の単一性の要件」の審査基準によって審査対象となる補正後の発明については、特許法第17条の2第4項の要件が問われません。
 つまり、以下の(1),(2)の補正を行うことができます。
 (1)最初に発見されたSTFと同一の又は対応するSTFを有する発明への補正(以下、STFベースの補正)
 (2)補正前の請求項1(STF無)の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの発明への補正(以下、請求項1(STF無)ベースの補正)

2 今回の審査基準の改訂により、厳しかったシフト補正の審査は大きく緩和されましたが、次の点には注意が必要です。
2.1 今後増えることが予想される請求項1(STF無)ベースの補正を行う際、補正前の請求項1の発明が解決しようとする課題と、当該発明に対して追加された技術的特徴から把握される、発明が解決しようとする具体的な課題との関連性(以下、単に課題の関連性)が低いと判断されないことが必要です。また、補正前の請求項1の発明の技術的特徴と、当該発明に対して追加された技術的特徴との技術的関連性(以下、単に技術的関連性)が低いと判断されないことが必要です。

2.2 請求項1(STF無)ベースの補正を行う際に発明特定事項の一部を削除した場合には、原則、シフト補正に該当するため、注意が必要です。

2.3 第17条の2第4項の要件を満たす補正をしたとしても、補正後の請求項に係る発明同士が第37条違反となる場合がありえるので注意が必要です。

 このように、審査基準の改訂後も依然として補正には十分な注意が必要です。
 特に判断の難しい課題の関連性、技術的関連性については、特許庁審査基準室も「各技術分野ごとに事例を蓄積し、出願人・代理人と審査官とで相場観を作ることが必要」とコメントしています[2]。

 なお、改訂審査基準は、平成25年7月1日以降の審査に適用されます。平成25年7月1日より前の拒絶理由通知においてシフト補正に関する言及がなされた案件についても、平成25年7月1日以降に応答した場合には、改訂審査基準が適用されます。

 弊所では、今後も発明の単一性・シフト補正に関する実務上の事例を収集・研究し、お客様へ適切なアドバイスをタイムリーに提供していきます。
 
※参考資料
[1]特許庁、「発明の単一性の要件」、「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」の審査基準の改訂について
[2]AIPPI・JAPANセミナー資料、「発明の単一性の要件」、「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」の審査基準の改訂について、2013年7月29日


投稿者 : admin 投稿日時: 2013-07-18 16:55:35 (3181 ヒット)

 特許庁は、審査請求から一次審査までの期間(FA期間)を11か月にするという目標[1]を掲げて、約10年間、審査の迅速化を進めてきました。昨年(2012年)末でFA期間は17か月まで短縮されており、今年度(2013年度)中には目標を達成できる見込みとのことです[2]。

 しかしながら、来年(2014年)以降の任期付審査官の任期満了にともなって、審査官数が大幅に減少することが予想されます。昨年の経済産業省の政策評価懇談会[3]では、国家公務員の定員や人件費などに厳しい枠がある中で、任期付審査官を引き続き雇用することを認めてもらえるのかどうかという問題が挙げられています。

 知的財産戦略本部が今年6月に発表した知的財産政策ビジョン[4]では、我が国企業の海外での円滑な特許権取得を支援するために審査基盤の整備を進めなければならないにもかかわらず、審査官の人員の手当てなどを行わない場合、FA期間が再び長期化してしまい、2020年には40か月となってしまう(FA40)、という心配な試算値が開示されています。知的財産戦略本部の専門調査会[5]では、FA期間のリバウンドを防ぐために審査官数維持への強いメッセージを出すべき、という意見が出ていました。そのような意見をふまえて、知的財産政策ビジョンにおいて審査官数維持をアピールしていると思われます。

 また、知的財産戦略本部が今年6月に発表した知的財産推進計画2013[6]では、FA11達成後の審査迅速化への取り組みとして、特許の最終的な権利化までの期間を2015年度中に36か月以内にするという目標も掲げられています。しかし、任期付審査官の任期満了の後、FA期間はどうなるのかという問題については、具体的な施策が提案されていない状況です。今後のさらなる施策に期待したいところです。

※参考資料
[1]知的財産推進計画2004
[2]特許ニュース、平成25年4月18日(木)、経済産業調査会
[3]経済産業省政策評価懇談会(第17回)議事録
[4]知的財産政策ビジョン
[5]知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会、第4回配布資料、参考資料1「知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会の論点」
[6]知的財産推進計画2013


投稿者 : admin 投稿日時: 2013-04-09 23:49:12 (1930 ヒット)

 米国特許法が改正され、2013年3月16日から先願主義が導入されましたが、優先日が3月15日以前であれば、原則として改正前の法律が適用されます。しかし、米国出願(またはPCT国際出願)もしくはその後の補正における対応によっては、下記のような落とし穴があることにご留意ください。

 例えば、日本出願を優先権主張の基礎とする米国出願では、上位概念化発明を作成して請求項に追加することがあります。優先日が3月15日以前であっても、追加した請求項が基礎出願に開示された範囲を超えると改正法に基づいて新規性・非自明性が判断されてしまいます。改正法が適用されると改正前の法律に比べて先行技術の範囲が地理的にも時間的にも格段に広がるため、非常に不利となります。

 3月15日以前の基礎出願に新たな実施例を追加して、あるいは2つの基礎出願を併合して米国出願する場合、特に注意が必要です。このような米国出願について、補正する場合も同様の注意が必要です。

 このような落とし穴を回避すべく、弊所では戦略的な対応策を多数検討しました。米国出願をお考えの方は、弊所弁理士が具体的な事案に応じた対応策をご提案いたしますので、問い合わせフォームにてご相談下さい。

 ご相談いただく場合、お問い合わせ内容欄に、2013年3月15日以前の日本出願がお済みであるかご記入の上、その日本出願を優先権主張の基礎とする米国出願(またはPCT国際出願)についてのご相談申込みである旨をご記入ください。受け付けた後、こちらからご連絡を差し上げて、具体的なご相談内容について伺いたいと思います。皆様からのご相談をお待ちしております。


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