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投稿者 : admin 投稿日時: 2013-04-04 10:23:10 (2880 ヒット)

 特許庁は、新規な事業や国際展開を見据えた事業に係る新製品や新たなサービスなどを構成する技術に関する出願群を対象とした「事業戦略対応まとめ審査」を平成25年4月より開始しました。
「事業戦略対応まとめ審査」では、たとえば、電気自動車やカメラなどの新製品に関する複数の技術分野に跨る出願について、出願人が希望するタイミングで権利化可能とすべく、各分野の審査官が連携しながら審査を行います。
また、出願人である企業と審査官とで協議を進めながら審査が行われます。企業と審査官との間で円滑で的確な意思の疎通が図られることにより、効率的に審査が行われ、企業にとって事業戦略に活用しやすい特許網を形成することが可能となります。
※参考資料
事業戦略対応まとめ審査の開始について
日本経済再生に向けた緊急経済対策進捗管理シート(経済産業省)


投稿者 : admin 投稿日時: 2013-02-23 12:18:27 (3709 ヒット)

 産業構造審議会 知的財産政策部会 特許制度小委員会 報告書「強く安定した権利の早期設定及びユーザーの利便性向上に向けて」(案)[1] が昨年末に公表され、この報告書案に対する意見募集が昨年の12月20日から今年の1月18日(金)まで行われました。
 この報告書案の中では、付与後レビュー制度の導入について検討しています。

 付与後レビュー制度とは、特許の権利化後の一定期間に特許付与の見直しをする機会を与えるための新たな制度です。

 付与後レビュー制度と類似した制度として、2003年の法改正により廃止された特許付与後の異議申立制度が挙げられます。
 特許付与後の異議申立制度が廃止されてから10年弱であることから、再び従前の異議申立制度に類似した制度を設けることについては、法的安定性の観点からの懸念を指摘する意見もあったようです。

 2003年の法改正の際には、特許付与後の異議申立制度の役割は無効審判制度等が果たすことになる見込みでした。しかし、無効審判は口頭審理が原則であり、当事者の負担が大きく利用し難かったため、請求件数が一時的には増加しましたが、その後は大きく減少してしまいました。結果として、潜在的に無効理由を抱える瑕疵ある特許権が増加しているとも考えられます。

こうした状況を踏まえ、今回の付与後レビュー制度の導入が上記報告書の中で提案されることとなりました。従前の特許付与後の異議申立制度との相違点は、主に、権利者の訂正の請求に対して申立人が意見を提出する機会が設けられている点です。

 弊所としては、審尋その他周辺の制度がどのように整備されていくかも含め、今後も注目してまいります。

参考資料
[1] http://www.jpo.go.jp/iken/pdf/tokkyo_houkoku/houkokusyoan.pdf


投稿者 : admin 投稿日時: 2012-09-11 19:42:46 (3946 ヒット)

 平成23年改正の特許法が本年4月から施行されました。多岐にわたる改正項目の一つとして、新規性喪失の例外規定(特許法第30条)の適用対象が拡大されました[1]。例えば、テレビで発表してしまっても救済されることとなったわけです。弊所では、早速こうした出願を扱う機会を得ることができ、特許庁が提供している「手引き」[2]や「Q&A集」[3]をもとに、新規性喪失の例外手続を行いました。

 手続書面の作成で特に紛らわしかったのが、「手引き」[2]の記載例を参照すると、テレビでの発表が生放送であった場合と録画放送であった場合とで、書き方が異なるようにも見える点です。実際には、生放送か録画放送かはあまり重要ではなく、むしろ、公開日や、公開者と権利者との関係がポイントになってきます。そうした点をクライアントにしっかり確認した上で、注意深く手続書面作成に取り組む必要があります。

この手続書面は出願人側の責任で作成・提出するものであり、実際上の疑義が表面化するのは無効審判や侵害訴訟の段階と思われます。その段階で疑義の解消に苦しむことのないよう、確実に対応しておきたいところです。

 今回の改正で例外適用対象が拡大されたことにより、テレビでの発表の他にもカタログ掲載や販売、試供品配布等、様々な公開態様が考えられます。上記「手引き」[2]や「Q&A集」[3]が随時アップデートされてさらに分かりやすくなっていくことを期待します。

 ところで、この新規性喪失の例外規定に似た制度が、欧州、米国、新興国等の諸外国にもありますが、似て非なるものなので注意が必要です。今回の改正で例外適用対象が拡大されたからといっても、外国出願を予定しているのであれば、やはり例外に頼らずに新規性を喪失する前に出願を済ませておくべきです。

 なお、米国におけるこの新規性喪失の例外規定に似たものとしてグレースピリオドの規定があり、これに関しては昨年9月に改正法(リーヒ・スミス米国発明法案)が成立し、来年3月16日以降の出願から適用されます。この新しいグレースピリオドの効果は強力で、発明開示後から出願までの間に他人が同一発明を開示してしまっていても、その出願は新規性違反にはならないのです[4]。日本の新規性喪失の例外規定では、偶然に同じ発明をした他人による発明開示に起因する新規性喪失までは救済されないので[4]、混同しないように気をつける必要があります。

 平成23年特許法改正のいくつもある改正項目の中で、新規性喪失の例外規定はあまり目立ちませんでしたが、上述したようにかなり奥が深い制度です。この制度の利用を検討されている方は、十分ご注意ください。

※参考資料
[1] 特許庁工業所有権制度改正審議室編、「平成23年 特許法等の一部改正 産業財産権法の解説」第9章、(社)発明協会、2011年12月 
[2] 特許庁、「平成23年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための出願人の手引き」、平成23年9月
[3] 特許庁、「平成23年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定についてのQ&A集」、平成23年9月
[4] 日本貿易振興機構(ジェトロ)、ニューヨーク発知財ニュース、「特許改革法案(リーヒ・スミス米国発明法案)成立-オバマ大統領、法案に署名-」、2011年9月16日


投稿者 : admin 投稿日時: 2012-05-02 21:04:21 (3849 ヒット)

特許法第17条の2第4項の規定、いわゆる「シフト補正禁止規定」は、平成19年4月以降の出願から適用されています。  

この規定は、「審査対象となった発明の内容を大きく変更する補正(たとえば審査対象となった携帯電話の高感度アンテナという発明を、折り畳み携帯電話用のヒンジの発明に変更する補正)」を禁止するものとして導入されました。

上記を踏まえて規定された審査基準によると、請求項1に係る発明が特別な技術的特徴を有していない場合、その後の補正が補正前の従属関係によって制限されてしまいます。そのため、権利範囲が狭くなってしまい、分割出願が必要となってしまうという問題が指摘されています。

弊所では、分割せずにより広い範囲で権利化を図るために、たとえば下記のような取り組みを行っています。
・シフト補正の対策について精通したスタッフを配置して、事例を収集・研究し、所内への展開を図るとともに、事案ごとにアドバイスする体制を整えています。
・判断の難しい案件では、十分に対策を練り、審査官と密に連絡を取っています。
・クライアントとの情報の共有化を図るため、事例研究の成果の提供や意見交換などを積極的に行っています。

上述した審査基準の問題点については、弁理士会等から特許庁に対して継続的に改善が要求されていますので、いずれ審査基準が改訂されるのではないかと思います。弊所では、審査基準の改訂等の最新情報にもタイムリーに対応して参ります。


投稿者 : admin 投稿日時: 2011-12-28 20:38:06 (3891 ヒット)

早期事業化を目指す発明やライフサイクルが短い発明は、早期権利化が望まれています。特許庁では、従来の審査、通常の早期審査に加えてスーパー早期審査を設けることで、出願人の多様なニーズに柔軟に対応しています。スーパー早期審査では、申請から一次審査の結果通知までが平均25日(2010年)[1]であり、通常の早期審査の平均50日程度(2010年)[2]と比較して大変短くなっています。
弊所でも、早期に権利を取得したいという出願人のご要望に応じて、スーパー早期審査を申請する案件が増えてきました。弊所でスーパー早期審査を申請した案件では、さらに面接審査を活用した結果、平均よりも早く申請から11日ほどで一次審査の結果通知があり、審査の早さを実感しています。
なお、スーパー早期審査の対象となるには、実施関連出願かつ外国関連出願であることが必要であり、実施関連出願、外国関連出願等のいずれかに該当すれば要件を満たす通常の早期審査に比べて要件が厳しくなっています。

スーパー早期審査および通常の早期審査の他に、早期権利化に役立つ制度としては、優先審査JP-FIRST特許審査ハイウェイ(PPH)があります。
特に特許審査ハイウェイは、外国において、早期審査手続を簡素化できることに加え、平均審査待ち期間の短縮、オフィスアクション回数の減少、特許査定率の向上といった様々なメリットがあります。例えば、米国特許商標庁においては、全案件の特許率が45.6%(2010年)であるのに対して、PPH案件の特許率は92.2%(2010年)となっています[3]。

日本出願に基づく外国出願についてPPH申請をするには、日本で特許可能と判断されたことが必要です。したがって、スーパー早期審査によって日本で早期に特許取得し、その結果をもって外国でPPH申請すれば、日本と外国の両方において一段と早い権利化が見込まれます。出願人としては、スーパー早期審査を利用する際に、併せてPPHの利用についても検討するとよいと思います。

※参考資料 [1]特許庁 スーパー早期審査の試行におけるQ&A(通番32) http://www.jpo.go.jp/toiawase/faq/super_souki_qa.htm
[2]特許庁 特許出願の早期審査・早期審理について http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/v3souki.htm
[3]特許庁 平成23年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト 3.国内外で早期に権利を取得するために http://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/text/h23_jitsumusya_txt.htm


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